「受給権の保護」 と 「受給額の可視化」

自分の老後の財産形成を自分で運用する、「確定拠出年金」。この制度の主なメリットは五つあります。順にみていきましょう。

まずは「受給権の保護」。従来の確定給付型の企業年金では、企業が経営危機に瀕した際などに、労使合意を前提に支給額が大幅にカットされることがあります。退職金のカットなどもよく行われています。

しかし確定拠出年金では、入社して3年以上であれば、どのような理由があったとしてもカットできません。たとえ企業が破綻したとしても、それまでに積み立てたお金は100%保全されます。自己責任の見返りとして、すでに積み立てたお金の受給権は手厚く保護されているのです。

次に、「受給額の可視化」。確定拠出年金では、自分が運用している資産の時価を、1円単位でほぼリアルタイムで把握できます。確定給付でも目安となる金額を計算することはできますが、実際に退職してみないと受給額は明確になりません。前述のように破綻したらどうなるかも分かりません。

「解約できない」ことにも意義がある

三つ目のメリットは、自分自身で運用できるという点です。運用に成功すれば、その果実はすべて自分だけで受け取ることができます。

四つ目のメリットは、老後の資産形成が確実に行われること。確定拠出年金では、いったん積み立てたお金は60歳まで引き出せません。中途退職した際に現金を受け取れないとして、デメリットといわれることが多いのですが、その半面、老後の資産形成を確実に継続できるという、非常に有用な役割を担っていると思います。

老後のための資産形成の必要性は高まっており、「解約できない」ことにも意義があるわけです。

五つ目のメリットは、税制上の特典です。通常、預貯金の利子や株式等の運用益には、税金がかかります。原則20%、証券優遇税制の期間中は投資信託等の売却益は10%という、大きな税金です。しかし確定拠出年金の資産は、運用期間中の運用益には課税されません。通常なら課税される分を再投資でき、効率的に運用できるメリットは非常に大きいですよね。